目次
⑴牧草の入れ物を換える
⑵色々な牧草をあげる
⑶こまめに新しい牧草をあげる
①幼少期から牧草をほとんど食べていない
②チモシーの優先順位が低い
③食事の偏りによる不正咬合
④水分不足により食べる気にならない
⑴チモシーは全て綺麗には食べきらない
⑵うさぎはハムスターやモルモットとは違う仲間
いきなり! オススメ解決策3選
このページへ来られた飼い主様は、
飼っているうさぎさんが牧草食べなくてどうしたら食べてくれる様になるのか?
獣医さんにもっと牧草食べさせてあげてと言われたけど・・・
腹痛予防やうっ滞予防に牧草をもっと食べれる様になってほしい。
牧草(チモシー)の重要性は既に理解しているけれども食べてくれないという悩みがあってこのページにたどり着いた方が多いと思いますので、冒頭から当店のオススメ解決策3選を紹介いたします。
⑴ 牧草の入れ物を換える
多くのうさぎちゃんをお世話してわかった事があります。
それはケージの壁に設置する縦型の牧草フィダーを使用している子より、ケージの床に直置きにしている子の方がチモシーを食べる量が圧倒的に多いです。
その理由は「食べやすさ」と「習性」だと思います。
うさぎさん達から聞いたワケではないのですが、表情や行動を観察して感じ取りましたので、「と思います。」という表現を使っています。(笑)
飼育グッズでよく販売されているフィダーは、壁掛け型が多く、鉄製や木製の格子型の間や丸型にくり抜かれたところ、フィダーの上部から等から口で引っ張り出して食べるかたちが多いです。
このフィダーの良いところは、ケージ内のスペースを少しでも広くできる事。
ケージ内が牧草で散らばりにくくできる事です。
私達自身もずっと長い間そのタイプを使っていました。
なぜなら、「そういうものだと思っていたから。」です。
うさぎの飼育用品として売られているもののほとんどがそのかたちなので、他に疑いもしませんでした。
ある日、自分がうさぎさんになった気持ちで考えました。
そして気がつきました。
『単純に・・・食べずらい。』
自分だったら、食べずらくて途中でやる気がなくなるレベル。
例えば、フィダーに入っているチモシーを、端から綺麗に食べていく子はあまりいないですよね?
まずは、濃い緑の柔らかい葉っぱから食べて、次に穂の部分いってから、少し細めの節のある茎を食べる。
本当は新しくチモシーを追加して欲しいけど、飼い主さんの様子をみると新しく補充してくれる気配がないので、残った牧草の中から少しでも食べる気になるところをしぶしぶ食べる。といったところです。
その様な過程で、わざわざ狭いところに鼻先を入れて引っ張り出して食べる気になりますでしょうか?
私は怠け者なので、
怠け者のうさぎ代表として代弁するなら、
「わざわざ食べる気にならないなぁ。」
「だって他にもっと美味しいペレットやおやつももらえるし・・・」
といったところでしょうか。
そしてもう一つのキーワード【習性】です。
ペットのうさぎさんの祖先はほとんどがアナウサギというウサギです。
野生のアナウサギは、地面から生えている草や落ちている枝を食べますよね。
赤ちゃんの時もそうです。卒乳をして初めて草を食べる時も、床に落ちている草を食べます。
鼻と口を地面スレスレに持っていって、クンクンと匂いを嗅ぎながら美味しそうな草を見つけて食べます。
どこかの小さな穴に鼻先を突っ込んで餌を食べるという行為はほぼ皆無です。
なぜかというと、天敵に食べられるリスクが多いからです。
小さな穴の中に顔を入れて体だけ出ている状態で集中している間に天敵に狙われる恐れがあるので本能的に避けるのです。
ペットのうさぎさんは野生のうさぎに比べ警戒心が弱まっている子が多いですが、多くのフィダーの形状に本能的に違和感を感じている様に思います。
というわけで、壁掛けタイプのフィダーは本来うさぎが持っている習性に合っていないのかなぁ。と思い、
うさぎさんが牧草を
・選びやすくて
・食べやすくて
・うさぎさんの習性にあっている
この3つが揃ったオススメの牧草入れを発見しました。
既にこれをチモシー入れにお使いの飼い主様も多いと思います。
それはこちら!
お皿を洗った後に使う水切りかご です。
まず使い方を説明します。
水切りかごを準備します。
本当は四角の方が安定感がりオススメ。
下の段におしっこシート(ペットシート)を敷きます。
上の段をのせます。
この時、下に敷いたおしっこシートが脇からはみ出ない様にしてください。
牧草を乗せれば完成です。
うさぎさんは、中にすっぽり入って牧草を食べたり
カゴのフチに手をかけて牧草を食べたりしています。
好きなところを選んで食べれるし
下に落ちている状態だからとにかく食べやすくうさぎさんの習性にあっています。
うちの子も全てこの方法にかえました。
牧草を食べる量が日によって変わる事なく安定してよく食べていますし、牧草を継ぎ足す時は、ポンッと上にのせるだけなので楽チン。
これは予期していなかったのですが、うちの子の一人はおトイレ問題も解決しました!
おしっこシートを敷いているのはその理由です。
お掃除も簡単。
1日に1回ケージからこのチモシー入れを全て取り出して、
チモシーとおしっこシートをゴミ箱へ捨て、
チモシー入れをサッとお水で流し上記の様にセットして終了です。
トイレとチモシーを一気に洗えて清潔です。
ただ一つ難しかった事は、ちょうど良い水切りカゴを見つける事でした。
今はこの形の水切りカゴってあまり売ってないんです。
やっと見つけても大きすぎたり、深すぎたり・・・
うさぎのケージサイズとうさぎの体サイズを考えるとこれくらいのサイズがベストだと思います。
【 縦 約36cm x 横 約25cm x 深さ 約9cm】
この大きさをベースとして、
あとはうさぎちゃんの体の大きさやケージの大きさに合わせて前後した大きさのものがオススメです。
店頭で良いサイズのものを見つけるのがなかなか難しいので、ネットで簡単に手に入れられる良い大きさと程よい値段のものを3パターン紹介します。
縦32cm/横25cm/深さ11.5cm
オススメの大きさに最も近いサイズ
縦37cm/横28.5cm/深さ13cm
体が少し大きめの子やケージ広めの子にオススメ
縦35cm/横21.3cm/深さ8cm
体が小さい子にオススメ
⑵ 色々な牧草をあげる
牧草にも色々な種類があります。
チモシー1番刈り・2番刈り・3番刈り
オーツヘイ、ウィートヘイ、イタリアンライグラス等々
牧草食べない子にとって、
どの牧草が体に良いのか、繊維量はどれが良いのか等考えず、まずはとにかくなんでも良いので少しでも興味ある牧草を少しでも口に入れてもらうこと。
そして、少しずつでも良いので牧草を口に入れることに慣れてもらい、
少しずつ量を食べれる様に好きになってもらうことです。
よって、色々な牧草を⑴の水切りカゴにポンっ!と入れてあげてください。
一度に複数種類入れて良いと思います。
クンクン匂いを嗅ぎながら好きなものをつまんで食べます。
よく柔らかい葉しか食べないからという事で、チモシーの2番刈りや3番刈りをあげる飼い主さんもいらっしゃいます。
でも実は1番刈りの濃い緑の柔らかい葉っぱが一番好きだったりします。
1番刈りと2番刈り、3番刈りは匂いが全然違います。
1番刈りは緑の良い香りがしますが、2番3番になるにつれて酸っぱい香りがします。
同じ「柔らかい」でも、「香り」「味」が異なります。
「硬さ」「香り」「味」
あなたのうさぎさんが一番好きなバランスの牧草をあげれば、少しづつですが食べてくれる様になります。
できれば、最低3種類以上を入れてあげるのをオススメします。
例えば、チモシー1番刈りとオーツヘイとイタリアンライグラス
チモシー1番刈りとオーツヘイとウィートヘイといった感じです。
その時の気分や体調によって選ぶ牧草も違うと思いますので、常にうさぎさん本人が選べる様にしてあげると喜ぶと思います。
そして時々食べている様子を観察して、どの牧草を食べているか、牧草のどんな部分を食べているかじっくり観察してください。
ちなみに当店はチモシー1番刈りとオーツヘイとチモシー3番刈りを常に準備しています。
牧草の種類と特徴についてはまた別の機会にじっくりお話ししたいと思います。
じっくり観察していると何が好きか、どんな部分が好きかわかってきます。
チモシー一番刈りの青い葉っぱの柔らかい部分だけを食べる様であれば、
次回からその部分が少しでも多く入っている商品を購入すれば良いですし、
オーツヘイの節の部分をよく食べる様であれば、
オーツヘイの節部分が多く入っているものを優先的にあげる事ができます。
牧草を食べない子は、基本的にどの牧草も進んでは食べませんが、
根気よく試行錯誤しながら観察して、その子にあったものを見つけていきましょう。
⑶ こまめに新しい牧草をあげる
多くのうさぎちゃんは、フィダーに入って数時間経ったものよりも袋から出したばかりの牧草を好みます。
その理由は色々あると思いますが主に、
・香り
・湿気
・穂や葉等の好みの部分
上記3つがあるかないか・・・です。
香りがあり、湿気がなく、穂や緑の葉の部分がたくさんあるものを好きな子が多いです。
牧草をあげるとまず好きな部分から食べます。
好きな部分を一通り食べ終わると一休みして、お腹が空いたら残ったチモシーの食べれる部分を時間をかけて食べるか、自分の好きな部分を全て食べてしまったらもう手をつけません。
特に牧草に興味が無い子は、フィダーに入った牧草の一番表面にあるものから食べられそうな葉っぱや穂をちょこちょこつまんで食べる程度なので、
新たに牧草を入れるのはもったい無い気もしますが、牧草の香りが強い時の方がまだ食べる気になると思うので、気が付いた時に少しづつでも良いので新しい牧草を入れてあげてください。
なぜ牧草を食べてくれないの?
牧草を食べてくれない理由は主に下記の事が考えられます。
①小さい頃から牧草をほとんど食べておらずペレットを主食としている。
②おやつとペレットが大好きでチモシーの優先順位が低い
③食事の偏りによる不正咬合が原因でうまく食べられない
④水分不足により食べる気にならない
この4つの中で、今からでも改善できる事と難しい事があります。
難しい事は1つだけ。
③不正咬合になってしまいうまく食べられない。
不正咬合は歯の伸び方によって、伸びる場所によって獣医さんで歯をカットしてもらえばチモシーを食べるようになる子もいます。
しかし不正咬合は一度なってしまうと不正咬合自体が治るという事はほぼありません。
不正咬合は偏った食事や遺伝的な歯列や顎の以上が原因となります。
伸びたら切るを繰り返して過ごしていくという事になります。
歯を切った後に牧草をたくさん食べてくれて、歯の摩耗が順調に行われ続ければ、獣医へ歯切りに行く期間を2ヶ月ごとから半年ごとへする事は可能だと思います。
①や②、④に該当し、まだ不正咬合になっていない場合はまだ間に合いますので、食の改善を行い牧草をたくさん食べれる様になるように頑張りましょう!
①の場合、離乳してすぐからほとんどペレットばかり食べている子。
通常ペットショップでは牧草を食べる事を習慣づけるため最初からペレットだけというのはかなり稀だと思いますが、もしその様な場合は不正咬合になっている事が多いですので、まずは獣医さんで歯のチェックをしてください。
そして次に食生活ですが、ペレットの量を少しずつ少なくし、オススメ解決策3選の⑴で紹介した水切りカゴの中に牧草を入れ、お腹が空いたらいつでも食べれる様にしてください。
おやつはほぼいりませんが、どうしてもあげたいという場合は、1日にひとかけドライフルーツをあげる程度にしましょう。
急激に体重を減らすと免疫力が下がってしまいますので、半年〜1年かけて少しずつペレットの量を減らし、牧草メインの食生活に変えて行きましょう。
②の場合も同様です。
ペレットとおやつをメインにし、牧草は小腹が空いた時に食べるという食生活はうさぎちゃんにとって偏った食生活です。
オススメ解決策3選の⑴で紹介した水切りカゴの中に牧草をたくさん入れて、牧草を主食にします。そしてペレットをおやつとして1日2回20粒前後あげ、今あげているおやつは1日1回もしくは2日に1回少量にしましょう。
①と同じ様に急激に体重を減らすと免疫力が下がってしまいますので、半年〜1年かけて少しずつペレットの量を減らし、牧草メインの食生活に変えて行きましょう。
①と②に共通する事は、うさぎさんは最初ペレットやおやつを欲しがってウルウルした目で飼い主さんを見つめ、「美味しいご飯ください。」という表情で催促してくると思いますが。ここはグッと我慢し牧草を食べる様に促しましょう。
うさぎさんはどうしてもお腹が空いたら諦めて牧草を食べます。
この食の改善プロジェクトは、うさぎさんよりも飼い主様が辛いと思います。
お気持ちは非常にわかります。
大切なうさぎちゃんの健康寿命を伸ばし、1日でも長く一緒にいたいという思いを強く心に持って頑張りましょう。
④の水分不足により食べる気にならないというのは意外かもしれませんが、実は結構あります。
口先で押して水が出てくるタイプのウォーターボトルを使用しているうさぎちゃんが、実は水不足になっている事が結構多いです。
うさぎさんにとって、飲みにくいのかもしれません。
当店では放牧中、放牧柵内のすみっこにお皿にぬるま湯を入れて置いているのですが、日頃上記のタイプのウォーターボトルを使っている子はほとんどそのお水を飲みます。
しかも結構ぐびぐび飲みます。
そして水分不足が解消すると、牧草をムシャムシャ食べ始めたりします。
日頃ウォーターボトルを使っているという方は、放牧時にいつでも水分補給できる様にぬるま湯を入れたお皿を置いて置くことをオススメします。
お皿だとひっくり返してしまうんだけど・・・
という方にオススメはこちらです。
ケージに付けることができ間口が広いので口が入りやすいのでとてもオススメです。
飼い主さんに知って欲しいこと
⑴チモシーはペレットのように全て綺麗には食べきりません。
うちの子いつも牧草残してあまり食べないなぁと思っている方もいらっしゃると思います。
飼い主さんに知って欲しい事は、うさぎさんは牧草を綺麗に食べきる事はほぼありません。
特にチモシー1番刈りをあげている場合、1回にあげるチモシーのうち4割〜5割食べれば良いと考えていただいた方が良いです。
10羽に1~2羽は9割ペロリと食べる子もいますが、
ほとんどの子は4割〜5割食べれば、チモシーを良く食べる子です。
甘く見積もったとして2割食べてくれればその子はチモシー嫌いではなく、ちゃんとチモシーを食べられる子です。
1回にあげるチモシーのうち2割食べる子でも、新たにチモシーを入れる回数を増やせば最終的にたくさんの量を食べる事ができますよね。
8割捨てるのもったいないと思われると思います。
お気持ちはとてもわかります。
ですが不正咬合を防ぎ、うさぎさんが健康でいられるのであればその方が良いです。
新しいのを足さないで、しばらく残ったチモシーを入れておけば食べるのではと思いがちですが、古いものやこれは食べれるものでないと判断するとそれ以上は食べません。
チモシーはたくさん残すものだ。2割食べてくれればそれで良いという意識に変えていただき、新しいチモシーをどんどん入れてあげてください。
⑵ うさぎはハムスターやモルモットとは違う仲間です。
うさぎは齧歯目(げっしもく)と思っている方が多く、ハムスターやモルモットの仲間と思われがちですが、実はうさぎはハムスターやモルモットのような齧歯目(げっしもく)ではありません。
うさぎは分類上重歯目(じゅうしもく)に属します。
これは分類上かなり遠いという事になります。
それにも関わらず、ハムスターやモルモットと同じ部類の飼育方法で、食べるものもほぼ同じだと思われやすいのですが実は全く違います。
特にホームセンターなどで見かけるうさぎのおやつのパッケージにはハムスターも書かれてて、対象動物がハムスターやうさぎと記載されているものが多いので消費者は誤解しやすいです。
ここで覚えていただきたいのは、
ハムスターは雑食性
うさぎは草食性
という事です。
文字通りうさぎは草類が主食なので、基本的に穀類はうさぎの体には合いません。
うさぎの体の構造は草類を消化する様になっており、
穀物や果物、その他の食べ物を消化する様にはなっていませんので負担が大きいです。
食べ続けると胃腸の動きが悪くなったり腸にも負担がかかり体調不良の原因になります。
実はうさぎ用のペレットも必ずといって良いほど小麦粉が入っています。
これはつなぎの役割で使われていますが小麦も穀物です。
うさぎさんの体にはあまりよくありません。
ペレットについても今後ゆっくりお話ししたいと思いますが、まず飼い主様へ覚えていただきたい事は、
1うさぎは草食動物だという事。
2よって穀物は最低限の摂取にした方が良いという事。
3そのためにはペレットを主食にするのではなく、牧草を主食にし、ペレットをおやつとする。フルーツ等はコミュニケーションツールとして1日1個や2日1個程度にする。
以上3点です。
今回は牧草の重要性はわかっているけど、うさぎさんが牧草を食べなくて困っている方向けに改善策やうさぎさんが牧草を食べない理由、そして飼い主さんに覚えていて欲しいことを書きました。
改善策について動画でも説明しておりますので、ぜひ下記の動画も合わせてご覧ください。
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